なにか_a

@matiya_a

観劇感想!!!!!

 

2023年の初っ端から2ヶ月あまり私が狂っていた宝塚花組公演「うたかたの恋 / ENCHANTEMENT」

この2作品がとにかく楽しみすぎて、期待をこめて必死にチケットを取り観劇予定を入れてたんだけど、その期待をはるかに超える良さで本当にありがとう……以下感想 まあまあ長いです

1月1日初日!

うたかたの恋

古典の名作(※初演は40年前)にアレンジを加えて趣向を変え、ヴェールに包まれた儚い悲恋の美しさではなく、政治的背景や19世紀末という時代のうねり、リアルな人間模様を交えつつ、2人が愛しあい死ぬまで、重くて苦しいけど目が離せない……。
要は心中してしまう話なんだけど、死ぬことは最初に提示されてて、どのようにしてそこへ辿りつくのかをひたすら見つめるような作品。

 

柚香光さん演じる皇太子ルドルフ、憂いを帯びている、どころではなくはじめから明らかに闇を纏っている……。王者の気品とオーラがあって、人といるときはノーブルに振る舞っているけど、誰も見てないときに顔がすっと翳るんですよ。どこにも行けないことをよく分かってて自分の人生を半分諦めてるけど、残りの半分でかすかな希望を求めてる人。国の未来についても考えてるし……でも希望を捨てきれないから余計に苦しいんだなあ……。

そんな中で、太陽の光の中で育った光属性の令嬢マリーと出会ってしまう。この組み合わせの妙……
過去の演出では浮世離れした少女というか、楚々として「あなたについていきます」という、言ってしまえば男から見た理想の女って感じなんだけど、今回の演出と星風まどかちゃんの演じ方は違ってて。何も知らないまま巻き込まれたのではなく、その先に未来がないことも全部分かった上で彼の全てを受け止める。死ぬことの恐ろしさを感じていながら、自分の意志で迷わずついていく。愛しているからそうしたのだと……。


今回追加された新場面で、ルドルフが荒れに荒れて弱りきって、「助けてくれ、お願いだ」って縋り付くんだけどこれはもうシンプルに「「「癖」」」すぎる(脳直感想)

私は柚香光さんの芝居が本当に好きなんだけど、決められた台詞や動作をなぞるんじゃなくて毎回生の感情があって、本当に生きた人間として舞台上に存在してるんですよ。
その中でも特に人間の弱さや痛みの表現がすごい……可哀想に見せたり美化したりしないでとことんリアルに表現するんだけど、それが強烈に美しい……ガラス細工の砕け散る瞬間が一番美しいっていうまさにそれ

いや〜つらいとか哀しいとかめちゃくちゃ感じてるんだけど、その一方で脆くて傷ついて苦しんでる彼女を見てあ〜〜好き……って毎回なってしまうの申し訳ねえ……もちろんご本人には常に健康で幸せでいてほしいけど!!ご飯いっぱい食べて!


「僕はマリーを知ってから、本当に生きることを知った。そして僕らは束の間を充分に生きた」

ほんと死んだらだめなんだけど、死んだら何にもならないよって思うけどそういう言葉は彼らにとってなんの意味も持たないんだよね……もう離れては生きていけなかったんだね……。

綺麗なだけではない、どこか歪で生々しくもあり、だからこそ美しい


今年入ってからはまだ、これと雪組の「BONNIE&CLIDE」しか見てないんですがこの2作品が今年の良作ベスト3(私調べ)に入るのは間違いない……いやボニクラほんとよかった、1回だけの予定だったのによすぎて追いチケした、なのに普通の風邪を引いて2回目断念しました悲しい。円盤買おっか……

 

ENCHANTEMENT

未だに綴りに自信がない。読みは「アンシャントマン」魔法にかけられるという意味だそう

サブタイトルは「華麗なる香水」ということで、「柚香」さんにちなんで古今東西の香水をテーマにしたレヴューっていう!

調香師のレイが魔法の香水を振りかけると世界は薔薇色に輝きはじめ、人々は魅惑の宵へと誘われていく…。

↑作品紹介原文ママ

そんなんもう最高じゃんって演目出たときに思ったし実際最高だった!!!

お芝居がどシリアスだけどショーでは日々の嫌なこともストレスも全部忘れてただただ幸せで満たしてくれます。今の花組、柚香さん筆頭に魅力的なダンサーが多いしシュッとした美形が集まっててほんと目の保養……ダンス凄いんですよ。ショーの間じゅうずーっと美しく華やかなダンスを浴びることができる。

このショーでは各場面ごとに実在の香水がモチーフになってて、また香水というテーマは一貫してるけど場面ごとに全然違うテイストなのが楽しい。例えばシャネルのNo.5ならニューヨークの街角で粋にお洒落に踊り、オリエンタルな香りならチャイナ風といった具合で、チャイナドレスの娘役たちほんとかわいい!美人!!大感謝!!!!

香水をつける仕草がちょいちょい入ってるのも洒落てて色っぽくて素敵。

 

どの場面も本当〜〜〜にいいんだけど私はやっぱりムスク……これだけはいつまで経っても平常心で見られない 

なんか……男達の秘密のクラブ(今どき宝塚以外ではそんな見ることないでしょっていうシチュエーション)(宝塚ではしばしばある)で繰り広げられるすごいマーキング、周囲へのアピール、匂わせ越えて香りに香りまくってる2人の関係、何……?何を見せられているの……

俺とお前 息を切らし 踊る夜 

 

 

全場面語ろうと思えば語れてしまうけど、めちゃくちゃ長くなるので、とにかく最後まで盛りだくさんの好きな要素しかない素晴らしいショーで こんなにいい作品が見られることってなかなかないと思う……ありがとうとしか言えないですね……。

珍しく前方席で観れたときの写真(SS席の端っこだった)

レースカーテンが開いてショーが始まると、真ん中に香水瓶を模した大きいセットがあってそこから登場してくれます。舞台両サイドは香水棚のセットになってるんだけど、出演者やスタッフ1人1人の名前が書かれた香水瓶が飾られてる!愛がすごい!

 

基本日帰りで観劇することが多いけど、泊まりがけで行ったときに初めて中之島美術館に行きました。「大阪の日本画」展、とってもよかった……。来年には「女性画家たちの大阪」展をやるそうなのでそっちも行きたい!

 

時間が空いて神戸北野の異人館や喫茶店を訪れた日もある 満喫してんな!

 

プラトン装飾博物館(イタリア館)ってどんなところか知らなくてたまたま入ったんだけど、所狭しとさまざまな調度品や絵画が飾られていて凄かった!!こんな凄いのにあんまりメジャーじゃないよね?思いがけず満足度が高かった……

 

 

これは東京宝塚劇場。西へ東へ